「12秒あげるから13回死んで。
それができないなら、指先絡めてバイバイしよう」
傲慢に言って君の困った顔を見るのが。
すごく、好き。





12秒あげるから
「難しいことを、いうね」 困った顔のままで君は呟いて、ゆっくりと私の頬を撫ぜる。 人差し指と親指で挟むように触れて、そして頬全体を包むように。 「難しいから、言うの」 私の答えに、苦笑。 「…何を以って死んだってことになるのかな?」 問いに、少しだけ考えた。 「あなたがあなたでなくなったら」 「それをどうやって確認するの?」 君の不思議そうな問いは、愚問。 「あなたを私が間違えるはずがないでしょう?」 両端を吊り上げた唇(だっておかしすぎて自制しても笑っちゃう)で言うと、君は吹き出した。 「光栄です」 言の葉に笑みが混じって、赤い三日月が蠢く。 「じゃあ、12秒あげるから、13回僕を殺すような言葉を、言って」 一瞬だけ、君の顔が人を貶める麗しき悪魔に見えたのはきっと気のせいじゃない。 「…難しいことを、言うのね」 そんな言葉、一回だけでも口にしたら、きっと、こちらのほうが壊れるに決まってるのに。 「難しいから、言うんだよ」 まるで歌うように君は私の真似をした。 …敵わない。小さく唇を噛んだ。なんだか、すごく、悔しい。 「…そんなことをしたら、傷ついてしまうよ」 やんわりと指先が、歯を立てられた唇を開かせる。 なすがまま、なんとなく、 「誰が(・・)?」 聞いたら、君は小さく目を開いて、薄く笑った。 「僕が(・・)」 その言葉に、私は嬉しくなって微笑んだ。 やっぱり、敵わない。 「やっぱり、さっきのは訂正するわ」 愛の証に死んでもらうよりも―― 「12秒あげるから、13回、私を満足させて?」 耳に吐息をかけるほどの顔の位置で言うと、彼は一瞬だけ黙り込み。 「やり方は?」 「おまかせで」 囁いて、私は目を閉じた。 瞼が、心臓が、魂が、私の全てが愛されることの期待に震えた。 彼の手が私に触れて、私はカウントを開始する。 1、2、3、…
〜END〜
---------------------- はい、1ヶ月遅れましたが、3周年です。 珍しくらぶいカップルの話です。らぶいでしょ?(何) たまには記念物も、悲しい系じゃないほうがいいだろうとかんばってみた。 この話の、この後の展開は想像にお任せします。 とにかく、この駄サイトも3周年。もう、4年目に突入してます。 忙しくなってきて、言葉も私の中で淀みがちですが、腐臭をあげないうちに掬ってあげたいと思ってます。 なるべく新鮮なままでお届けできるように、これからもがんばりますね。 見てくださっている方々、いつもいつも、どうもありがとうございます。 これからも、末永く見守っていただけると幸いです。 **この作品はフリー作品です** お気に召しましたらご自由にお持ち帰りください。 ただし著作権の放棄はしてません。再配布禁止。 タイトル・本文への加工はお断りいたしますが、ページレイアウトやデザイン等はご自由に変更して構いません。 なお、お持ち帰りいただけたときに一度BBSかメールか何かで知らせてくださいませ。
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